

有田焼を求めて佐賀県を訪れた際、有田町に隣接する伊万里市の大川内山を訪れた。
伊万里市も焼きものの大きな産地の一つだ。かつて、有田町で作られる焼きものと伊万里市で作られる焼きものは伊万里港から積み出されていたことから、総称して伊万里焼と呼ばれていた。現在は、異なる産地の焼きものとして有田焼、伊万里焼が区別されている。
山間にある大川内山の小さな町を訪れると、石畳の坂道に沿って無数の窯元が立ち並んでいた。そのうち、大きな煉瓦造りの煙突がひときわ目立つ工房を見つけた。
店内に並んでいたのは、澄んだ青緑色の釉薬をまとった器や、白地に呉須やカラフルな色で精緻な文様が描かれた器。特に目を惹いたのは、青磁の器たちだった。明るい水色に近いものもあれば、緑がかった深い色合いのものもある。その吸い込まれるような透明感の青に惹かれ、いくつかの器を選んで買った。
それが、青山窯の器との出会いだった。
以来、器たちはわが家の食器棚の一員になっている。ボウルはスープを飲むとき、丼ものや麺類を食べるときに。小さなおてしょ皿は、塩やスパイス、オリーブオイル、マスタードなど、調味料を添えるときに使う。
白地や青磁の器は控えめながら食材の色彩とも相性がよく、料理の彩りを引き立たせてくれる。おてしょ皿を出して食卓に並べると、遊び心も湧いてくる。
食事の支度をするたびに、今日は青山窯の器が使えそうかどうか、ふと考える。そんなひとときに小さな幸せを感じていることに気づいた。
大川内山には江戸時代に鍋島藩の御用窯が置かれていた歴史があり、現在も窯元が軒を連ねている。青山窯は江戸時代の鍋島藩窯にルーツを持ち、明治16年(1883年)に民間の窯として創業した。
大川内山で焼かれる伊万里鍋島焼には、色鍋島、鍋島染付、鍋島青磁といった伝統的な焼きものの技法がある。色鍋島は藍、赤、黄、緑などで施される上絵、鍋島青磁は青緑色の釉薬、鍋島染付は藍色の呉須による文様を特徴とする。
青山窯では、これらの古くから続くこの地の焼きものの伝統を受け継ぎながらも、現代のライフスタイルになじむような新たな技法を開発したり、デザイナーとコラボレーションしたりと、モダンな器づくりにも取り組んでいる。

使えば使うほど、器たちはわが家の食卓になじんでいく。なじんだ今も、食事のたびに器を選ぶ楽しさや、おてしょ皿に何を添えるかを考える遊び心はなくならない。
スープや麺類に使っているボウルにサラダを盛ってみる。
料理の色に合わせて、白と青磁のどちらにするかを選ぶ。
同じ料理をいつもと違う器によそって見え方を比べるのも楽しそうだ。
小さなおてしょ皿なら、塩、スパイス、オリーブオイル、マスタード。大きな器のそばに一枚添えたり、手持ちの小皿と並べたり。何を入れるかだけでなく、どの器と組み合わせるかにも選ぶ楽しさがある。
お気に入りの器に、次は何を添えようか。