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朝の光にきらめく亀甲編み:辻和金網のドリッパーで淹れる朝のコーヒー
辻和金網のコーヒードリッパー辻和金網のコーヒードリッパー
キッチン
金工

朝の光にきらめく亀甲編み:辻和金網のドリッパーで淹れる朝のコーヒー

Luna Saito
|
2026-10-23
読了時間5分

起きてすぐコーヒーを淹れる

朝、起きたらすぐに湯を火にかける。沸騰するのを待つ間に、コーヒーミルで豆を挽く。

カップの上に京金網のコーヒードリッパーをのせ、コーヒーを淹れる準備をする。ピンクゴールドのような色合いの銅が、朝の光に反射してキラキラと輝いている。六角形が連なる編み目にひとしきり見惚れる。朝から心が躍る。

それからゆっくりとお湯を注ぐ。豆全体がふっくらと膨らむのを眺めてからもう一度ゆっくりと注ぎ、ドリッパーからコーヒーが滴るのを眺める。部屋中に広がるコーヒーの香りに、思わず深呼吸をする。京金網のドリッパーでコーヒーを淹れる時間は、朝の楽しみの一つだ。

京金網を初めて見たとき、網目の美しさに目が惹かれた。実際に見てみたいと思い、京都を旅行で訪れた際に工房を訪ねた。茶こし、焼き網、プレート、ボウル……さまざまな金網の道具が並ぶなかで、これなら毎日使えると思い、コーヒードリッパーを購入した。

ガラスや陶器のドリッパーはよくあるけれど、金網のドリッパーは珍しい。お気に入りのカップにコーヒーを淹れる朝の時間がより楽しいものになると確信した。

それから毎朝、このドリッパーでコーヒーを淹れている。

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編み目を眺め、香りを吸い込む

朝、コーヒーを淹れながら編み目を見て楽しみ、豆の香りを楽しむ。

香りの広がり方はガラスや陶器のドリッパーとは違う。全体が網目状で空気を通す金網のドリッパーは、お湯を注ぐとコーヒーの香りがよく広がるように感じた。

手に持つと、とても軽い。編んだ金網だからか、金属特有の冷たさもあまり感じない。これまでガラスのドリッパーを何度か落としたりぶつけたりして割ってしまったことがあるが、金網なら割れる心配をしなくていいのは安心だ。

金網で淹れるコーヒー

手で編まれる六角形

辻和金網は、京都市中京区で1933年に創業した金網細工を手がける作り手。京金網は金属の線を手で編み、台所の道具などに仕立てる京都の金網細工だ。釘を打ちつけた台を使い、用途に応じて線の太さや網目の大きさを変えながら、指先の感覚で細い針金を編み上げていく。

平安時代まで遡るといわれる京金網の伝統を継承しながらも、昔からある湯豆腐杓子や茶こしだけでなく、吊りかごやコースターなど現代の暮らしにも役立つ道具を手がけている。コーヒードリッパーも、そんな現代になじむ道具の一つだ。

コーヒードリッパーの本体には、六角形の網目が連なる「亀甲編み」が用いられている。ドリッパーの縁から抽出口にかけて徐々に幅を狭めながら連なる幾何学模様のような亀甲編みは美しく、針金による職人の手しごとならではの繊細さを感じる。

辻和金網3代目の辻泰宏さんが円すい型のドリップペーパーを知り、茶こしの技を応用して製品のアイデアを考えたのだという。

六角形の編み目ができる亀甲編み

時とともに変わりゆく色合い

辻和金網の道具には、銅製やステンレス製がある。銅製は特に、経年変化で色が変わっていく過程を日々見つめることも楽しみのひとつだ。

鮮やかな赤みを帯びた明るい金属色が、1週間、1ヶ月、1年と時間をかけて深みのある赤褐色へと変化していく。日々変わりゆく色みの変化に目を向けて、ときの移り変わりと経過を実感しながら過ごす京金網との暮らしは、今も、これからも、心を踊らせてくれる。

コーヒーでもお茶でも。いつもの飲み物を用意するとき、自然と目が留まる形や光はあるだろうか。その香りには、どの瞬間に気づいているだろうか。

カップの上で銅の編み目が光を受ける。ゆっくりとお湯を注ぐと、豆がふっくらと膨らみ、ドリッパーからコーヒーが滴りはじめる。

そんな日々の一瞬一瞬に、小さな幸せを見出そう。

INFORMATION
工芸名
京金網
工芸タイプ
金工
産地
京都府京都市
素材
銅(本体)
作り手・工房
辻和金網
紹介商品
手編みコーヒードリッパー
Tags
キッチン
金工
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